前回、戦争を利用してイラクの農業文化を壊して自分の都合の良いように作り替える、お金のために...という話しをしていたのですが、長くなったので、2に入ってしまいました。
西側のアメリカが遺伝子組み換え技術を使って世界戦略を立てるなら、東のロシアはどうでしょうか。ロシアも同じように遺伝子組み換え技術を武器に世界の覇権争いをしたか?答えは否です。アメリカが遺伝子組み換え農産物を世界に売るなら、ロシアはオーガニック農産物を使って世界の食糧戦略を立てました。特に、冷戦終結時の約束を破って拡大を続けたNATO、そこに加わった近隣諸国を振り向かせようとして。プーチン氏も国を上げてオーガニック作物の作付け、輸出を指示しました。
遺伝子組み換え農産物のタネと農薬はセットで育てて、使用しなければ上手く育てられないように遺伝子を組み換えられています。タネを植えると育てる過程で当たり前のことですが草が生えます。こうなると除草をしなくてはなりません。この除草作業が非常に重労働で手間も時間もかかる。除草剤を撒けば植物は枯れますが、植えたタネまで枯れてしまいます。このため、ラウンドアップという農薬の1つの除草剤があるのですが、このラウンドアップに耐性を持たせたタネを遺伝子組み換え技術で作る。そうすると、ラウンドアップを撒けば、自然な植物は枯れてしまいますが、遺伝子を組み換えられたタネだけは育ちます。除草作業は格段に楽に時間もかからずできるようになります。非常に作業効率が良いということで、遺伝子組み換えのタネとこの農薬はセット売りされる訳です。2018年に農薬のこのラウンドアップの主成分グリホサートによってガンになったとして販売するモンサントを相手取り一人の男性が裁判を起こしました。この裁判の中で、モンサント社から「発癌の可能性がある」という研究の内部資料が見つかりました。このことにより、モンサント社の株価は大暴落、この男性の主張は認められました。この後、世界中でモンサント社を相手取り数万件の裁判が起こされることになりました。この、モンサントは癌の可能性を知りながら警告をしなっかた、として損害賠償が認められた裁判結果は世界中でトップニュースとして、報道されました。
あれ?ご存じない?日本のテレビニュースでは私も取り上げているところを見たことがありません。考えてみれば然もありなんという感じですが。世界を代表する化学メーカーですから、当然関係企業など数えられない数があるわけです。テレビのスポンサーということを考えれば、商業主義と権威主義に忠実な日本のテレビ界が、報道などするはずありません。
この裁判結果の影響は大きく、世界で農薬基準の見直し、またグリホサートの規制が始まりました。結果としてヨーロッパ諸国はオーガニック産品をそれまでよりロシアに頼るようになり、とうのアメリカも年率10%でオーガニック市場が拡大することとなりました。
日本でも当然規制が始まる!テレビで報道しないだけ!と思いきや、規制の逆で、日本は農薬基準の大緩和を行いました。まるで世界中で行き場を無くしたグリホサート系農薬の受け入れ先に残飯処理係として、日本人の胃袋と土地が選ばれるような形になってしまったのでした。偶然たまたま奇跡的に世界の規制と日本の緩和が同時期で、まさかの事態が起こりグリホサートの危険性を知らず、アメリカでの裁判結果も知らず、世界での規制の厳格化も知らない官僚が集まっていたために規制の緩和が実行されることとなったのでした。奇跡的なことは重なりに重なって起こるものなのですねー。冗談はさておき、基準を緩めた農水官僚はクリスマス時期だったので、クリスマスプレゼントだとのたまわったのだとか。日本国民へのプレゼントではないことは確かですが、官僚って誰のためにお仕事する人たちで知ったっけ?とつくづく疑問に思います。
また、長くなったので、3に続きます。
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