戦争は愚かな行いです。この度のウクライナ国民へのプーチン氏による武力攻撃は許されるものではなく、最も強い言葉で避難されるべきものです。一刻も早い停戦を求めます。これ以上の命が奪われることのないよう、強く祈ります。
この度のロシア・ウクライナの戦争について、様々な意見があると思います。同じ物を見てもどの目線から見るか、また見えるか、見させられるか、によって受ける印象も全く異るのですから、人とは不思議でおかしなモノです。みんな違っているから楽しいのですが、なかなかどうしてこの違いが厄介なものです。そこに様々な泣き笑いが生まれるのは、言わずとも大多数の人が経験として知っていることだと思いますが、今回は食に関心のある者として食にまつわる側面からこの度の戦争について考えていることを書きたいと思います。
戦争はこの世の中に存在する最も愚かな行いの1つです。そんな風に私が考えていても、一方では一大産業という側面があり、人の命と引き換えに、莫大なお金が動き、笑う人間がいる訳です。2003年に始まった大量破壊兵器を見つけ出すためのイラク戦争、ご存じの通りそんなものはどこにも無かった。「イラクの自由作戦」などと名前を付けられ、侵略された後に残ったものとは何だったのでしょう?軍需産業の利益や石油が狙いだったという話はよく聞く話でしょうが、それだけでしょうか?
その国の食を支配することは、その国を支配することに等しい。自給率が落ち輸入に頼るようになった国は、兵糧攻めにすれば武器を使うより容易く落とせるのです。輸出国からすれば自国の国民を戦場に送ることもしなくてよければ、兵士に育てるためのコストもいらない、輸出を止めるぞと脅すだけでも言いなりにできる。その食糧に新技術を加えて売れば知財権でドル箱にもなるわけです。これからの世界の覇権争いは武力だけでなく食物戦略に力を入れるべきだ、そしてその中心を担うのは遺伝子組み換え技術である。そう思惑を持って、世界の覇権争いの武器として食糧を使うことを決めたのはアメリカのニクソン大統領。今は遺伝子組換え技術から、ゲノム編集技術にシフトしている訳ですが、ひとまずアメリカの戦略は成功と呼べるのではないでしょうか?
話をイラクに戻すと、イラクには1万年の農業の優れた歴史がありました。中でも品種改良の技術は素晴らしく、小さな農家がお互いの種を持ち寄り、交配させて土地に合った品種を作っていました。そしてイラクにはタネの貯蔵庫もありました。2003年に始まったイラク戦争では、英米軍はこのタネの貯蔵庫を真っ先に攻撃し、農業環境も滅茶苦茶にしました。戦況が落ち着くと、今度はアメリカが復興支援を担い、荒廃したイラクに遺伝子組み換えのタネと農薬、化学肥料、を持ち込みました。イラクの人々は喜んだかもしれませんね、荒廃したところに支援をしてくれるのですから。「地獄への道は善意で塗り固めている。」ものです。見えるものに騙されてはいけない。イラクの外務大臣が言ったそうです。「戦争によってイラクは主権を放棄させられ、国の資産を民営化させられ、残ったのはアメリカ系のバイオ企業と遺伝子組み換えの畑が広がってしまった。」
この時利益を得て笑ったのは、多国籍化学企業とウォール街の投資家でしょう。
長くなったので、続きはまた次回に。
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